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条文全文・解説 — 司法試験・予備試験・法学部生向け
共有物の全部又はその持分が相続財産に属する場合において、共同相続人間で当該共有物の全部又はその持分について遺産の分割をすべきときは、当該共有物又はその持分について前条の規定による分割をすることができない。
2共有物の持分が相続財産に属する場合において、相続開始の時から十年を経過したときは、前項の規定にかかわらず、相続財産に属する共有物の持分について前条の規定による分割をすることができる。
3ただし、当該共有物の持分について遺産の分割の請求があった場合において、相続人が当該共有物の持分について同条の規定による分割をすることに異議の申出をしたときは、この限りでない。
4相続人が前項ただし書の申出をする場合には、当該申出は、当該相続人が前条第一項の規定による請求を受けた裁判所から当該請求があった旨の通知を受けた日から二箇月以内に当該裁判所にしなければならない。
出典: e-Gov 法令データベース(法務省)
共有物分割と遺産分割の調整(2021改正で新設)
共有物の全部又は持分が相続財産に属し共同相続人間で遺産分割すべき場合、当該共有物について258条の共有物分割訴訟を提起できない。遺産分割優先の原則。
10年経過後の例外(2項本文)
相続開始から10年経過後は、相続財産に属する持分について共有物分割が可能となる。長期間放置された遺産分割未了の共有関係を解消するための時限。
遺産分割請求と異議申出(2項ただし書・3項)
遺産分割請求があった場合に相続人が異議を申し出れば共有物分割は不可。異議は裁判所通知から2か月以内(3項)。手続的時間制限により遺産分割優先を担保。
改正の意義
従来は所有者不明問題の温床であった長期未了の遺産共有について、10年の時的限界を設けて法的紛争解決ルートを確保。2023年4月施行。所有者不明土地解消の柱の一つ。