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条文全文・解説 — 司法試験・予備試験・法学部生向け
債務者が、その有する財産を処分する行為をした場合において、受益者から相当の対価を取得しているときは、債権者は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、その行為について、詐害行為取消請求をすることができる。
2その行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により、債務者において隠匿、無償の供与その他の債権者を害することとなる処分(以下この条において「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。
3債務者が、その行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、隠匿等の処分をする意思を有していたこと。
4受益者が、その行為の当時、債務者が隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。
出典: e-Gov 法令データベース(法務省)
相当対価処分行為の特則(2017改正で新設)
債務者が財産処分行為により受益者から相当対価を取得した場合、3要件すべてに該当するときに限り詐害行為取消可能。判例(大判明44・10・3、最判昭39・10・13等)の不動産売却ルールを精緻化して明文化。
3要件
①処分による財産種類変更(不動産→金銭等)により隠匿等処分のおそれが現に生じること、②債務者が処分時に隠匿等処分の意思を有していたこと、③受益者が処分時に債務者の隠匿意思を知っていたこと。3要件すべて充足が必要。
改正の意義
旧法下では「相当対価による不動産売却」は原則として詐害行為に当たらないが、隠匿意思がある場合は取消可能とする判例実務が形成されていた。本条はこれを成文化しつつ要件を厳格化し、債務者の正当な経済活動と債権者保護のバランスを再構成。
立証責任
債権者が3要件のいずれも主張立証する。受益者の悪意は通常型詐害行為取消より厳格な立証が要求される(隠匿意思の認識)。