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条文全文・解説 — 司法試験・予備試験・法学部生向け
事業のために負担した貸金等債務を主たる債務とする保証契約又は主たる債務の範囲に事業のために負担する貸金等債務が含まれる根保証契約は、その契約の締結に先立ち、その締結の日前一箇月以内に作成された公正証書で保証人になろうとする者が保証債務を履行する意思を表示していなければ、その効力を生じない。
2前項の公正証書を作成するには、次に掲げる方式に従わなければならない。
3保証人になろうとする者が、次のイ又はロに掲げる契約の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事項を公証人に口授すること。
4保証契約(ロに掲げるものを除く。)
5主たる債務の債権者及び債務者、主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものの定めの有無及びその内容並びに主たる債務者がその債務を履行しないときには、その債務の全額について履行する意思(保証人になろうとする者が主たる債務者と連帯して債務を負担しようとするものである場合には、債権者が主たる債務者に対して催告をしたかどうか、主たる債務者がその債務を履行することができるかどうか、又は他に保証人があるかどうかにかかわらず、その全額について履行する意思)を有していること。
6根保証契約
7主たる債務の債権者及び債務者、主たる債務の範囲、根保証契約における極度額、元本確定期日の定めの有無及びその内容並びに主たる債務者がその債務を履行しないときには、極度額の限度において元本確定期日又は第四百六十五条の四第一項各号若しくは第二項各号に掲げる事由その他の元本を確定すべき事由が生ずる時までに生ずべき主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものの全額について履行する意思(保証人になろうとする者が主たる債務者と連帯して債務を負担しようとするものである場合には、債権者が主たる債務者に対して催告をしたかどうか、主たる債務者がその債務を履行することができるかどうか、又は他に保証人があるかどうかにかかわらず、その全額について履行する意思)を有していること。
8公証人が、保証人になろうとする者の口述を筆記し、これを保証人になろうとする者に読み聞かせ、又は閲覧させること。
9保証人になろうとする者が、筆記の正確なことを承認した後、署名し、印を押すこと。
10ただし、保証人になろうとする者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
11公証人が、その証書は前三号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。
12前二項の規定は、保証人になろうとする者が法人である場合には、適用しない。
出典: e-Gov 法令データベース(法務省)
規律
事業のために負担した貸金等債務を主債務とする保証契約又は事業貸金等債務を含む根保証契約は、締結に先立つ1か月以内に作成された公正証書で保証人意思を表示しなければ無効(1項)。公正証書方式: ①口授(保証契約は債権者・債務者・元本・利息・違約金等・全額履行意思/根保証はさらに範囲・極度額・確定期日等)、②公証人筆記・読み聞かせ又は閲覧、③保証人承認・署名押印(署名不能なら付記)、④公証人方式付記・署名押印(2項)。法人保証は不適用(3項)。
2020年改正・趣旨
経営者でない個人が情緒的に事業保証を引き受けて破産するリスクを防止する制度。公正証書による要式行為化で、保証人の真摯な意思確認を強制。
公正証書要件の意義
①公証人による意思確認、②保証範囲・責任の口頭明示、③1か月内の作成(直前性)。事業保証の重大性に見合う厳格な手続。
対象範囲
「事業のため負担した貸金等債務」の保証・根保証のみ。事業性のない個人保証や貸金等以外の保証には不適用。465_9が例外類型(経営者等)を規定。