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条文全文・解説 — 司法試験・予備試験・法学部生向け
寄託物について権利を主張する第三者が受寄者に対して訴えを提起し、又は差押え、仮差押え若しくは仮処分をしたときは、受寄者は、遅滞なくその事実を寄託者に通知しなければならない。
2ただし、寄託者が既にこれを知っているときは、この限りでない。
3第三者が寄託物について権利を主張する場合であっても、受寄者は、寄託者の指図がない限り、寄託者に対しその寄託物を返還しなければならない。
4ただし、受寄者が前項の通知をした場合又は同項ただし書の規定によりその通知を要しない場合において、その寄託物をその第三者に引き渡すべき旨を命ずる確定判決(確定判決と同一の効力を有するものを含む。)があったときであって、その第三者にその寄託物を引き渡したときは、この限りでない。
5受寄者は、前項の規定により寄託者に対して寄託物を返還しなければならない場合には、寄託者にその寄託物を引き渡したことによって第三者に損害が生じたときであっても、その賠償の責任を負わない。
出典: e-Gov 法令データベース(法務省)
規律
寄託物について第三者が訴え提起・差押え等したとき、受寄者は遅滞なく寄託者に通知。ただし寄託者が既に知っていたときは不要(1項)。第三者主張があっても受寄者は寄託者の指図なき限り寄託者に返還、ただし第三者引渡し命令の確定判決があり実際に引渡したときは免責(2項)。寄託者へ返還した場合の第三者損害は受寄者の責任を負わない(3項)。
趣旨
寄託物に第三者の権利主張があった場合の受寄者の二重弁済リスク回避と通知義務。寄託者は所有者として情報を必要とし、受寄者は中立的保管者として寄託者への返還を原則とする。
1項・通知義務
第三者の権利主張で寄託物が紛争対象となれば、寄託者は防御の機会が必要。受寄者の通知懈怠は債務不履行となり、寄託者の損害(権利喪失)を賠償する責任。
2項・3項の二重保護
原則は寄託者返還(寄託契約の本質)、確定判決による第三者引渡し命令ある場合のみ第三者引渡し可。寄託者返還した受寄者は第三者損害を負わない(3項)構造で受寄者の中立的立場を保護。