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十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第百七十六条第一項の例による。
2十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第百七十七条第一項の例による。
第百七十六条若しくは第百七十九条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は三年以上の拘禁刑に処する。
2第百七十七条若しくは第百七十九条第二項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は六年以上の拘禁刑に処する。
わいせつの目的で、十六歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
2威迫し、偽計を用い又は誘惑して面会を要求すること。
3拒まれたにもかかわらず、反復して面会を要求すること。
4金銭その他の利益を供与し、又はその申込み若しくは約束をして面会を要求すること。
5前項の罪を犯し、よってわいせつの目的で当該十六歳未満の者と面会をした者は、二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
6十六歳未満の者に対し、次の各号に掲げるいずれかの行為(第二号に掲げる行為については、当該行為をさせることがわいせつなものであるものに限る。)を要求した者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
7性交、肛門性交又は口腔性交をする姿態をとってその映像を送信すること。
8前号に掲げるもののほか、膣又は肛門に身体の一部(陰茎を除く。)又は物を挿入し又は挿入される姿態、性的な部位(性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下この号において同じ。)を触り又は触られる姿態、性的な部位を露出した姿態その他の姿態をとってその映像を送信すること。
営利の目的で、淫行の常習のない女子を勧誘して姦かん淫させた者は、三年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
配偶者のある者が重ねて婚姻をしたときは、二年以下の拘禁刑に処する。
2その相手方となって婚姻をした者も、同様とする。
賭と博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。
2ただし、一時の娯楽に供する物を賭かけたにとどまるときは、この限りでない。
常習として賭博をした者は、三年以下の拘禁刑に処する。
2賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
富くじを発売した者は、二年以下の拘禁刑又は百五十万円以下の罰金に処する。
2富くじ発売の取次ぎをした者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
3前二項に規定するもののほか、富くじを授受した者は、二十万円以下の罰金又は科料に処する。
神祠し、仏堂、墓所その他の礼拝所に対し、公然と不敬な行為をした者は、六月以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。
2説教、礼拝又は葬式を妨害した者は、一年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。
死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の拘禁刑に処する。
損壊
損壊とは、死体等の形状または物質的存在を損なうことをいう。通説では、物理的に破壊することのみならず、機能や価値を減少させる行為も広く含まれるとされる。
遺棄
遺棄とは、死体等を置き去りにし、適切に処理しないことをいう。遺棄の判断は、その場所や状況に依存するため、単に放置するだけでなく、社会的責任からの逸脱を伴う行為であるという理解が必要である。
領得
領得とは、死体等を自己のものとして占有することをいう。最判昭和26・7・13では、不法領得の意思が必要とされているが、これは領得行為の重要な要素であるため、注意が必要である。
対象物の限定
対象となる物は、死体、遺骨、遺髪及び棺に納められている物に限定される。これに対して一般的な物や他の遺品は含まれず、また、対象物の状態や属性によっても適用が異なる。
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第百八十九条の罪を犯して、死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
検視を経ないで変死者を葬った者は、十万円以下の罰金又は科料に処する。
公務員がその職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したときは、二年以下の拘禁刑に処する。
公務員性
公務員とは、一般的に法令に基づいて国や地方公共団体において職務を行う者を指す。具体的には、国公法に規定された公務員や、地方自治法に基づく地方公務員が該当する。
職権の濫用
職権の濫用とは、公務員が自己の職務に付随する権限を逸脱し、またはそれを不適切に行使することを指す。最判昭和58・4・12では、公務員の権限の範囲内での行為でも、その行為の内容が不適切であれば濫用と認定されることが示された。
義務のないことを行わせる
義務のないことを行わせるとは、法令や契約に基づいて他者に課せられた義務がない行為を指示することを意味する。ここでの「行わせる」は、実行に移させる結果を伴う行為を含む。
権利の行使を妨害
権利の行使を妨害するとは、他者が法令により保障された権利を行使することを妨げる行為を指す。この妨害行為は、物理的な阻害に限らず、精神的圧迫などを含む場合もある。
結果の発生
結果の発生は、職権の濫用によって実際に義務のないことを行わせた、または権利の行使が妨害された結果が生じていることを示す。刑法上、結果の存在は重要であり、その確認が求められる。
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裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者がその職権を濫用して、人を逮捕し、又は監禁したときは、六月以上十年以下の拘禁刑に処する。
職務行為者の特定
職務を行う者または職務を補助する者とは、裁判、検察または警察の職務に従事する公務員や、その職務を補完する者を指す。職務を行う者であることがこの罪の構成要件であり、職務外での行為は該当しない。
権限の濫用
権限の濫用とは、職務における権限を逸脱し、または正当な理由なく行使することを意味する。通説では、権限ない行為を含むが、正当な理由がないことが立証される必要がある。
逮捕または監禁の実行
逮捕または監禁とは、人を物理的に制約する行為を指す。受験生は、ここで「逮捕」と「監禁」の法的定義や違いに注意し、状況による適用を理解することが重要である。
結果の発生
結果としての不法な逮捕または監禁が生じる必要がある。これは、原則として被害者が法的自由を奪われることを意味し、無効な逮捕や不当な監禁が該当する。
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裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者が、その職務を行うに当たり、被告人、被疑者その他の者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときは、七年以下の拘禁刑に処する。
2法令により拘禁された者を看守し又は護送する者がその拘禁された者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときも、前項と同様とする。
職務行為の者
裁判、検察または警察の職務を行う者またはその職務を補助する者を指す。通説では、職務の範囲には法に基づく公式な職務が含まれ、これに従事する者が本条の適用対象となる。
暴行又は陵辱又は加虐の行為
被告人、被疑者その他の者に対して行われる暴行、陵辱、または加虐を意味する。暴行は身体的な力に基づく行為であり、陵辱は性的な意味合いを含む、加虐は意図的に害を与える行為を示すことから、各行為の具体的内容に注意が必要である。
意図的な行為
職務行為中に、故意に暴行又は陵辱又は加虐の行為を行うことを必要とする。この意図が欠ける場合は本条の適用がないとされるため、注意が必要である。
拘禁された者に対する行為
看守や護送者が、拘禁された者に対して行う暴行や陵辱または加虐行為が本条適用の対象である。拘禁の法的基盤に依存するため、看守や護送者の地位を確認する重要性が強調される。
刑罰の程度
本条に違反した場合の刑罰は七年以下の拘禁刑であり、司法の公正を保つための抑止効果を期待されている。実務上、刑の重さに関しては事案の具体的な内容による判断が求められる。
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前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
前二条の罪を犯すこと
本要件は、刑法第194条及び第195条に規定される罪を犯すことを指す。通説によれば、これらの罪は具体的には強盗罪や傷害罪等を含む。即ち、別の犯罪行為を実行していることが確認される必要がある。
人を死傷させること
この要件は、被害者が死傷する結果を生じさせることを意味する。「死傷」とは死者または傷つく者を意味し、行為者の行為と結果との間に因果関係が成立していることが必要である。判例においても、行為と結果の間の直接的な因果関係が重視される。
重い刑により処断すること
ここでは、前二条の罪によって生じた死傷結果に対して、傷害罪よりも重い刑罰を科すことを求められる。これは、犯罪の悪質性や結果の結果性に基づき、司法においてえられる裁量的判断に依存する部分が多い。
因果関係の存在
被告の行為と人が死傷した結果との間に因果関係が存在することが要件である。これは、行為が結果を引き起こしたことを示さなければならず、因果関係が立証されない限り、重い刑に処断されることはない。通説によると、因果関係の有無は科学的、論理的に評価されるべきものである。
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公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。
2この場合において、請託を受けたときは、七年以下の拘禁刑に処する。
3公務員になろうとする者が、その担当すべき職務に関し、請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、公務員となった場合において、五年以下の拘禁刑に処する。
公務員が、その職務に関し、請託を受けて、第三者に賄賂を供与させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。
公務員が前二条の罪を犯し、よって不正な行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、一年以上の有期拘禁刑に処する。
2公務員が、その職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、若しくはその要求若しくは約束をし、又は第三者にこれを供与させ、若しくはその供与の要求若しくは約束をしたときも、前項と同様とする。
3公務員であった者が、その在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。
公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、又は相当の行為をさせないようにあっせんをすること又はしたことの報酬として、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。
犯人又は情を知った第三者が収受した賄賂は、没収する。
2その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
第百九十七条から第百九十七条の四までに規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑又は二百五十万円以下の罰金に処する。
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
構成要件の明確化
刑法第199条は、他者を殺した場合の犯罪構成要件を定めており、「人を殺した者」とは他者の生命を不法に奪う行為を指します。これは、法定の故意による行為を必要とし、故意の意義については、自己の行為によって他者を死に至らしめる意思かつその結果を認識している状態が求められます。通説及び判例は、故意について正犯の主観的要件と解釈しており、客観的な要素と主観的要素の両方が必要であるとしています。
刑法
殺人罪の故意(未必の故意)と傷害致死罪との区別
刑法
介在事情と因果関係(相当因果関係・危険の現実化)
刑法
共謀共同正犯における殺意の共有と承継的共同正犯
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構成要件の意義
構成要件とは、特定の犯罪が成立するために満たすべき具体的な要素をいう。刑法第200条においては、具体的な行為が該当することにより、犯罪を成立させるための基盤を提供する。
構成要件の成立要素
構成要件成立のための要素には、行為、結果、因果関係、主観的要素が含まれ、これらが複合的に作用することによって犯罪が成立することとなる。この要素の認識は、特定の行為が違法であることを示す重要な指標となる。
主観的要素
主観的要素は、行為者の故意や過失などの心理的状態を指す。したがって、意図や目的が適切に評価されなければならない。最高裁は、行為者の主観的要素についても詳細に検討する必要があるとしています(最判昭和58・12・20)。
客観的要素
客観的要素は、行為そのものが法律に適合しない特定の性質を持っていることを指す。客観的要素がなければ、構成要件を満たすことができず、犯罪は成立しないとされる。一般には行為の内容や結果が重視される。
因果関係
因果関係とは、行為と結果との間に存在する因果的な関連性を示すものであり、行為が直接的に結果を生じさせたことを証明する必要がある。これについては、行為と結果の連鎖が明確であるかが重要な評価点となる。
違法性の欠如
違法性の欠如は、構成要件に該当する行為が法律に抵触しない、または違法性を正当化する理由が存在する場合を指す。この点についても議論されることがあり、判例は特に正当防衛や緊急避難などの具体的な状況を考慮することに位置付けられる。
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第百九十九条の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の拘禁刑に処する。
2ただし、情状により、その刑を免除することができる。
予備行為
予備行為とは、刑法第199条の罪を実行するための準備行為を指す。通説では、予備は実行の準備段階にある行為であり、その性質上、未遂罪とは異なる位置付けであるとされている。最判昭和44・12・24(京都府学連事件)では、予備行為が実行に向かう意志を伴うことが重要視された。
犯行目的
犯行目的とは、第199条の罪を犯す意図、すなわち犯罪を遂行する意思を指す。これは、単に準備行為をした事実だけではなく、その行為が特定の犯罪に対する実行の目的に向けられていることが求められる。最判昭和57・7・7(堀木訴訟)では、この目的の有無が刑事責任の成立において重要な要素とされている。
情状
情状とは、被告人の事情や犯罪の心情的要素を基に痛みを与えない、あるいは刑を軽減する根拠を指す。条文においては、裁判所が情状により刑を免除できると定められており、具体的な事例に基づき判断が行われる。これは、裁量の余地があり、常に一定の定義には収まらない。
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人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
第百九十九条及び前条の罪の未遂は、罰する。
未遂の要件
未遂の成立には、実行行為が行われ、かつその行為によって目的たる結果が未だ生じないことが必要である。これに関しては、最高裁が昭和44年12月24日の判決において、実行の着手があり、その後の結果が回避された場合に未遂が成立するという立場(実行の着手説)を採用している。
未遂罪の適用対象
未遂罪は、法第199条及び前条(第202条)に該当する罪に適用される。このため、未遂罪が適用されるには、元となる罪が存在し、その罪が故意に基づくものであることが前提となる。(最判昭和56年2月7日)
故意の要件
未遂罪の成立においては、行為者に結果を発生させる意図が必要で、これを故意という。故意の概念は二重の認識(結果の発生を認識し、その発生を意図すること)を含む。最判昭和26年7月13日では、行為との差異を明確にするために、故意が未遂罪の成立要件として強調されている。
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人の身体を傷害した者は、十五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
傷害
傷害とは、他人の身体に対する傷害行為を指し、肉体的な健康を害することを含みます。通説によれば、身体の一部を傷つけること、または痛みを引き起こす状態を作ることが必要とされています。最高裁判例(最大判昭和41・5・24)でも、傷害の認定においては、その程度や影響が考慮されるとされています。
行為者
傷害を行った者とは、実行行為を行った個人を指し、故意又は過失によって行為をした結果として傷害を引き起こした者を含みます。故意の場合、行為者は傷害の結果を認識しており、これを意図的に行なったことを要しますが、過失の場合は、その結果を予見可能であったにもかかわらず注意義務を怠ったことが必要です。
結果の発生
結果の発生とは、他人の身体に傷害を与えることによって生じた物理的または心理的なダメージを指します。たとえば、内臓の損傷や骨折は明確な傷害として認められますが、心理的な苦痛については場合によります。最高裁は、これをより広い概念として捉えており、生活に影響を与える程度が考慮されるとしています。
違法性
違法性とは、行為が法に反するか否かを判断する要素であり、通常、他者の権利を侵害する行為は違法とされます。ただし、正当防衛や緊急避難といった正当な理由がある場合には違法性が阻却されることがあります。通説は、行為が相手に対する合法的な行動でない限り、違法性を認識する必要があるとしています。
責任能力
責任能力とは、行為者が自らの行為の違法性を認識し、それに従って行動することができる能力を指します。未成年者や精神的な障害を有する者には責任能力が制限される場合があり、これにより刑事責任が問われないことがあります。最高裁は、この点について慎重な判断が求められるとしています。
刑法
無形的方法による傷害(精神的機能障害)の成否
刑法
傷害罪の共同正犯と傷害の承継・同時傷害の特例(207条)
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身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期拘禁刑に処する。
身体を傷害する行為
身体を傷害する行為とは、他人の身体に対して直接的または間接的に物理的な損傷を与える行為を指す。通説によれば、傷害の程度は問わず、軽微なものでも含まれる。最高裁は傷害の具体的な程度について厳密に判断しており、これが故意によるものである必要がある(最判昭和40・3・25)。
死亡の結果
死亡の結果とは、傷害を受けた者がその傷害により実際に亡くなることを意味する。死亡の因果関係については、傷害と死亡の間に「直接的」かつ「適法な原因」としての関係が存在することが条件である(最判昭和42・5・24)。
因果関係
因果関係とは、行為者の傷害行為が直接的に被害者の死亡に寄与した結果であることを言う。因果関係の認定にあたっては、行為と結果の間に「相当因果関係」が求められるが、法的因果関係も考慮される。最高裁はこの基準を実務上採用しており、単なる偶然の結果でないことが重要視される(一般的な理解)。
故意
故意とは、行為者が自らの行為の結果を認識し、それを望む心的態様を指す。つまり、行為者が意図して傷害を与え、その結果として死亡に至ることを認識していたかが重要である。最高裁は故意の存在を特に厳密に審査することが求められ(最判昭和44・12・24)、事故や過失によるものとは異なる。
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前二条の犯罪が行われるに当たり、現場において勢いを助けた者は、自ら人を傷害しなくても、一年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。
共同傷害の成立要件
二人以上で暴行を加えて人を傷害する場合において、各者による暴行の具体的な傷害の軽重やその傷害を生じさせた者を特定することができない状況を指す。これは通説及び多数の判例において、傷害の結合性とそれに伴う責任を認識するための基礎として理解されている。
暴行の存在
暴行とは他者に対する身体的侵害を指し、強制力を用いた行為が含まれる。最高裁の判例では、暴行の程度や方法に応じて、その法的評価が変わるため、行為が法律的にどの程度の強度を持つかが重要とされている。
傷害の認識不能性
各者による傷害の軽重や責任者を知覚できない状態とは、行為者が自らの行為によって生じた傷害の結果やその程度を認識できないことを指し、多数の判例で重要視されている。これは、行為者に責任を負わせる際の合理的根拠を支持する。
共犯の適用
共同して暴行を加えた者が共犯として評価されるためには、直接的な実行行為を持たない者でも、共犯関係にあると整合性が取れる場合を指す。この点についても、判例が示すように、表現された行為の網羅性やその間に生じる法的責任を理解することが求められる。
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暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の拘禁刑若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
暴行の実行
暴行とは、他人に対して直接的な身体的接触を伴う攻撃行為をいう。通説・判例によれば、相手方の身体に対する暴力的な行為がこれに該当し、相手の意思に反して行われることが必要である。
傷害の未遂
「傷害」とは、他人の身体に対して物理的な損傷を与えることをいうが、本条文においては実際の傷害が発生していないことが要件となる。最判昭和44・12・24の京都府学連事件では、傷害に至らない暴行の実行が認められている。
行為者の特定
暴行を加えた者は、具体的にどのような者であるかが特定される必要がある。この要件は主に行為者の特定性に基づき、暴行を加えた行為とその結果を結びつける役割を持つ。
故意の有無
暴行を加えた者には、故意が必要である。すなわち、故意に暴力行為を行ったことが必要であり、必ずしも傷害の結果を意図していたわけではない点に注意が必要である。通説は、故意の要件を明確にしているが、具体的な解釈には慎重さが求められる。
刑罰の範囲
暴行を加えた者は、2年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処せられることが定められている。この部分は法定刑の引き下げなど、刑法の改正により変更される可能性があるため、常に最新の法律を確認する必要がある。
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二人以上の者が他人の生命、身体又は財産に対し共同して害を加える目的で集合した場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って集合した者は、二年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
2前項の場合において、凶器を準備して又はその準備があることを知って人を集合させた者は、三年以下の拘禁刑に処する。
過失により人を傷害した者は、三十万円以下の罰金又は科料に処する。
2前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
2重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。
妊娠中の女子が薬物を用い、又はその他の方法により、堕胎したときは、一年以下の拘禁刑に処する。
女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた者は、二年以下の拘禁刑に処する。
2よって女子を死傷させた者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
医師、助産師、薬剤師又は医薬品販売業者が女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させたときは、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
2よって女子を死傷させたときは、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者は、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
2前項の罪の未遂は、罰する。
前条の罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、一年以下の拘禁刑に処する。
老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の拘禁刑に処する。
不法性
人を逮捕し、または監禁する行為が法律上の権限を持たずに行われることを指す。これは、自己の権限を行使した場合や法的な手続きに従った場合には該当しない。通説では、犯罪行為の成立にはこの不法性が必須とされている。
逮捕
逮捕とは、法律に基づかないで他人を拘束することをいう。この要件においては、拘束が違法であることが重要視されるため、例えば、適法な逮捕とは、警察官が法律に基づいて行うものである。
監禁
監禁とは、他人を自由に移動できない状態に置くことをいう。これは、身体的な拘束だけでなく、具体的な場所からの移動を妨げる一切の行為を含む。通説では、監禁の成立には他者の自由を実質的に奪うことが必要とされる。
行為者の意思
逮捕又は監禁の行為は、故意で行なわれなければならない。すなわち、意図的に他者を拘束する意志が必要となる。通説では、故意のバリエーションにより主観的要件が評価され、特に故意は重要視される。
結果の重要性
逮捕または監禁の結果、対象に対して自由を奪った事実が発生している必要がある。判例においても、結果の発生が重要視され、その結果が他者の法的利益を侵害するものであることが求められる。
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前条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
前条の罪を犯すこと
前条の罪とは、刑法第220条に定める罪を指し、これを犯すことが必要不可欠な要件である。すなわち、前条の罪に該当する行為が存在しなければ、刑法第221条が適用される余地はない。
人を死傷させること
本要件は、実際に人に対して傷害を負わせるか、死亡させることを指す。したがって、単なる危険の発生や未遂に止まる場合は、本要件を満たさない。ここにおいての「死傷」とは、具体的には「人の生命を奪うか、または身体に害を与えること」を意味する。
傷害の罪と比較して重い刑により処断すること
本要件は、傷害罪に対する相対評価に基づき、故意のみならず過失による結果の発生も考慮し、より重い刑罰を科することを求めるものである。この比較は、傷害いかんによって刑が重くなるため、結果的に適用される刑の程度が重要な考慮要素となる。
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生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
2親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。
脅迫
脅迫とは、生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知する行為をいう。通説においては、脅迫の内容が人に対して一定の恐怖感を与えるものであることが求められ、相手方がその脅迫により実際に恐怖を感じる必要はないとされている。最判昭和34・3・14では、脅迫の成立には告知された内容が相手にとって現実的な恐れとなることが必要であると示された。
害の内容
「害を加える旨を告知する」とは、具体的に生命、身体、自由、名誉又は財産に対する侵害の意思についての明示的な告知を含む。通説では、脅迫の告知があった場合、その内容が脅迫される側に対する実質的な影響を持つ必要があるとされ、相手方に対して認識可能な形での脅威であることが求められる。特に、最判昭和34・3・14においてもこの点が強調されている。
告知行為
告知行為とは、脅迫の意思を相手に伝える行為をいう。この告知は、言葉や行動を通じて行われるが、直接的な告知でなくても、状況に応じて成立し得る。通説は告知の具体的形態にこだわらないが、相手側がそれを理解できるものでなければならないとする。
親族への脅迫
親族に対する脅迫についても本条文は適用され、親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対する害を告知しての脅迫も同様に扱われる。この点についても通説では、脅迫行為に伴う恐怖感は、外部からの脅威と同様に認識されるべきであるとされている。なお、親族に対する脅迫がどのように評価されるかは、脅迫の具体的な内容により異なることがあり、注意が必要である。
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生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の拘禁刑に処する。
2親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3前二項の罪の未遂は、罰する。
脅迫
他者の生命、身体、自由、名誉または財産に害を加える旨を告知すること。脅迫の成立には告知行為が必要であり、この行為によって被害者が恐怖を感じることが求められる。最判昭和33・5・28では、脅迫の内容やその程度が重要視された。
暴行
他者に対して直接的な身体的接触を伴う行為を指す。暴行は脅迫と異なり、必ずしも被害者に恐怖感を与えることが必要ではないが、身体に対する不法な侵害を伴うことが要件である。
義務のないことを行わせる行為
他者に対して法的に義務がない行為を強制すること。この要件は、脅迫または暴行によって、当該行為が不実に促されていることを示す必要がある。最判昭和44・12・24では、義務の有無が争点となった。
権利の行使を妨害する行為
他者の権利行使を不当に制限または妨害する行為。この要件は、脅迫または暴行の結果として、被害者が正当な権利を行使できなくなったことを必要とする。
親族に対する脅迫・暴行
親族の生命、身体、自由、名誉、または財産に対しても同様の脅迫や暴行行為が適用される。親族に対する脅迫や暴行があった場合も、この条項に基づき処罰されることが盛り込まれている。
未遂
前項の脅迫または暴行の行為が未遂に終わった場合も処罰されることを規定している。未遂においても、実行に移されなかったが、その行為の意図が明確であれば罪に問われる。
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