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全 357 条— 2 / 8 ページ
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。
2ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
3前項の規定は、業務上特別の義務がある者には、適用しない。
正当防衛の要件
第37条における自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する危険を避けるための行為が、いわゆる「正当防衛」に該当する。一連の行為が避けようとした害の程度を超えない場合に限り、罰しないとの趣旨である。
危険の現在性
「現在の危難」とは、行為者が直面している危険が直ちに現実のものであることを要する。すなわち、危険が既に存在しており、その危害が確実に生じるおそれがある場合を指す。
やむを得ない行為
行為が「やむを得ずにした」とは、他に選択肢がなく、行為をせざるを得ない状況にあることを意味する。ここで、緊急性や緊迫性が認められることが求められる。
回避した害の程度
生じた害が「避けようとした害の程度を超えなかった」場合、罰せられないことが条件となる。ここにおいては、行為者が避けようとした害と実際に生じた害の比較が重要であり、この比較は客観的に判断される。
特別の義務の除外
第37条は、業務上特別の義務がある者には適用されない。これは、特定の職業に従事する者がその職務において特有の責任を負うため、正当防衛の範疇に入らない行為に対しては評価が異なることを示す。
刑法
緊急避難の法益均衡(相当性)と補充性の要件
刑法
正当防衛と緊急避難の区別・無辜の第三者への加害
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罪を犯す意思がない行為は、罰しない。
2ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
3重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。
4法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。
5ただし、情状により、その刑を減軽することができる。
犯罪意思の不存在
罪を犯す意思がない行為は、基本的に罰しないとされる(刑法第38条1項)。これは、客観的に行為があっても、主観的に罪を犯す意思がなければ処罰されないことを意味する。
特別規定の存在
刑法第38条2項では、法律に特別の規定がある場合には、罪を犯す意思がなくても罰される可能性があることが示されている。これは特に重大犯罪などに関連する規定を含む。
無知の認識
刑法第38条3項において、重い罪に当たるべき行為をした者が、行為時にその事実を知らなかった場合、その者は重い罪によって処罰されないとされています。これは、主観的な認識が重要であることを強調している。
法律無知の非責任
法律を知らなかったこと自体は、罪を犯す意思がなかったことにはつながらない(第38条4項)。これは、無知が犯罪の非行に結びつかないことを明言しており、受験生が誤解しがちな点の一つである。
情状による減軽
刑法第38条5項において、情状に応じて刑を減軽することができるとされる。このため、無知や意思の不存在があった場合も、事情によっては軽減される可能性がある。
刑法
客体の錯誤と法定的符合説・具体的符合説の対立
刑法
方法の錯誤と故意の個数・抽象的事実の錯誤
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心神喪失者の行為は、罰しない。
2心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。
罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。
2告訴がなければ公訴を提起することができない罪について、告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、前項と同様とする。
自首の要件
自首とは、罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自ら進んでその事実を申し出ることをいう。通説・判例において、自首の成立には発覚前であることが必須条件とされ、捜査機関に対する告白が自発的でなければならないとされている。最判昭和56・7・11では、自首の意義が強調され、自己申告の重要性が確認されている。
告訴の要件
告訴とは、刑事事件において、被害者等が官公署または司法機関に対して、その犯罪事実を申し出ることをいう。通説・判例において、告訴がない場合には公訴が提起できない罪に該当するとき、告訴をする権利のある者に対して自己の犯罪事実を告げることも同様に扱われ、これも自首として刑の減軽の要件に該当すると解されている。最判平成11・2・24では、告訴と自首の関係が明示され、両者が減軽要件に寄与することが認められている。
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犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。
2ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
確定裁判を経ていない二個以上の罪を併合罪とする。
2ある罪について拘禁刑以上の刑に処する確定裁判があったときは、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪とに限り、併合罪とする。
併合罪のうちの一個の罪について死刑に処するときは、他の刑を科さない。
2ただし、没収は、この限りでない。
3併合罪のうちの一個の罪について無期拘禁刑に処するときも、他の刑を科さない。
4ただし、罰金、科料及び没収は、この限りでない。
併合罪のうちの二個以上の罪について有期拘禁刑に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその二分の一を加えたものを長期とする。
2ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない。
罰金と他の刑とは、併科する。
2ただし、第四十六条第一項の場合は、この限りでない。
3併合罪のうちの二個以上の罪について罰金に処するときは、それぞれの罪について定めた罰金の多額の合計以下で処断する。
併合罪のうちの重い罪について没収を科さない場合であっても、他の罪について没収の事由があるときは、これを付加することができる。
2二個以上の没収は、併科する。
併合罪のうちに既に確定裁判を経た罪とまだ確定裁判を経ていない罪とがあるときは、確定裁判を経ていない罪について更に処断する。
併合罪について二個以上の裁判があったときは、その刑を併せて執行する。
2ただし、死刑を執行すべきときは、没収を除き、他の刑を執行せず、無期拘禁刑を執行すべきときは、罰金、科料及び没収を除き、他の刑を執行しない。
3前項の場合における有期拘禁刑の執行は、その最も重い罪について定めた刑の長期にその二分の一を加えたものを超えることができない。
併合罪について処断された者がその一部の罪につき大赦を受けたときは、他の罪について改めて刑を定める。
拘留又は科料と他の刑とは、併科する。
2ただし、第四十六条の場合は、この限りでない。
3二個以上の拘留又は科料は、併科する。
一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。
2第四十九条第二項の規定は、前項の場合にも、適用する。
拘禁刑に処せられた者がその執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期拘禁刑に処するときは、再犯とする。
2死刑に処せられた者がその執行の免除を得た日又は減刑により拘禁刑に減軽されてその執行を終わった日若しくはその執行の免除を得た日から五年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期拘禁刑に処するときも、前項と同様とする。
再犯の刑は、その罪について定めた拘禁刑の長期の二倍以下とする。
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。
2教唆者を教唆した者についても、前項と同様とする。
正犯を幇ほう助した者は、従犯とする。
2従犯を教唆した者には、従犯の刑を科する。
正犯
正犯とは、自ら犯罪を実行した者を指し、一般に犯罪の主要な実行者を意味する。例えば、最高裁は正犯の範囲について、その行為が犯罪の構成要件を充足すれば正犯となるとする立場(最判昭和42・5・24)を採用している。
幇助
幇助とは、他者の犯罪を助ける行為を指し、その行為によって正犯の犯罪が容易に行われるようにすることを含む。通説では、幇助の成立には、正犯の犯罪行為が存在し、かつその行為に対しての自主的な助力が要求されるとされる。
従犯
従犯とは、正犯を幇助または教唆した者を指し、その行動が犯罪に寄与することで成立する。最判昭和42・5・24は、従犯の位置付けを犯罪の共犯としての意義が確認されている。
教唆
教唆とは、他者に対して犯罪を実行するよう仕向ける行為を指し、その結果として正犯が犯罪を実行した場合に成立する。学説では、教唆者の主観的な意図が重視され、教唆の成立には、教唆によって犯罪が実行されなければならないとする見解が一般的である。
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拘留又は科料のみに処すべき罪の教唆者及び従犯は、特別の規定がなければ、罰しない。
犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分のない者であっても、共犯とする。
2身分によって特に刑の軽重があるときは、身分のない者には通常の刑を科する。
犯罪の情状に酌量すべきものがあるときは、その刑を減軽することができる。
法律上刑を加重し、又は減軽する場合であっても、酌量減軽をすることができる。
法律上刑を減軽すべき一個又は二個以上の事由があるときは、次の例による。
2死刑を減軽するときは、無期又は十年以上の拘禁刑とする。
3無期拘禁刑を減軽するときは、七年以上の有期拘禁刑とする。
4有期拘禁刑を減軽するときは、その長期及び短期の二分の一を減ずる。
5罰金を減軽するときは、その多額及び寡額の二分の一を減ずる。
6拘留を減軽するときは、その長期の二分の一を減ずる。
7科料を減軽するときは、その多額の二分の一を減ずる。
法律上刑を減軽すべき場合において、各本条に二個以上の刑名があるときは、まず適用する刑を定めて、その刑を減軽する。
拘禁刑又は拘留を減軽することにより一日に満たない端数が生じたときは、これを切り捨てる。
同時に刑を加重し、又は減軽するときは、次の順序による。
2再犯加重
3法律上の減軽
4併合罪の加重
5酌量減軽
削除
行為の不法性
行為の不法性とは、行為が法令に違反していることを指し、刑法における犯罪成立の前提条件である。通説によれば、行為が不法であるためには、具体的に法令に抵触する必要があるとされ、判例もこの立場を支持している。
故意
故意とは、行為者が自己の行為が違法であることを認識しながらその行為を行う心的態様を指す。最高裁は、この心的態様を「自己の行為の結果を認識し、その結果を欲するか又は許容する」と定義し、自発的な意思決定が必要であると判示している(最判昭和41・10・25)。
結果の発生
結果の発生とは、行為によって一定の危害や損害が生じることを指し、これは違法性を示すための要素であり、犯罪の成立には必須である。学説上、行為と結果の因果関係は支配的な要件とされ、判例もこの関連を重視している。
因果関係
因果関係とは、行為と結果の間に直線的または条件的な関係が存在することを指す。通説の見解に従い、最高裁はこの要件を明確にする上で「結果が行為者の行為によって生じたものであるという証明が必要」と判断している(最判昭和43・5・21)。
責任能力
責任能力とは、行為者が自らの行為の違法性を認識することができる能力を指し、精神的要素として重要である。最高裁は、この概念を「行為時において、自己の行為が社会の秩序に対して違法であることを認識する能力」と定義し、行為者が社会的責任を負うための必要条件と位置付けている。
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国の統治機構を破壊し、又はその領土において国権を排除して権力を行使し、その他憲法の定める統治の基本秩序を壊乱することを目的として暴動をした者は、内乱の罪とし、次の区別に従って処断する。
2首謀者は、死刑又は無期拘禁刑に処する。
3謀議に参与し、又は群衆を指揮した者は無期又は三年以上の拘禁刑に処し、その他諸般の職務に従事した者は一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
4付和随行し、その他単に暴動に参加した者は、三年以下の拘禁刑に処する。
5前項の罪の未遂は、罰する。
6ただし、同項第三号に規定する者については、この限りでない。
内乱罪の目的要件
内乱罪の成立には、国の統治機構を破壊または国権を排除することを目的とすることが必要である。これは国の基本秩序を壊乱する意図を含むもので、内乱罪における「目的」は特に重要な要素である。
内乱罪の行為要件
内乱罪の成立には、暴動をするという具体的な行為が求められる。この行為は、統治秩序に対する直接的な挑戦として認識され、内乱の結果として国の秩序を脅かすものでなければならない。
首謀者要件
内乱罪において、首謀者とは暴動の計画を主導し、指導的立場にある者を指す。通説では、実際の行動の有無にかかわらず、企図を持って暴動に関与する者がこの要件を満たすとされている。
謀議参加要件
内乱罪における謀議に参加した者は、暴動の計画に関与したという要件を満たす必要がある。この要件は、単なる参加者よりも重い処罰が課される基準となる。
暴動参加要件
内乱罪の下で、暴動に単に参加した者は、他の要件に比べて軽い処罰が科される。この場合、単なる参加行為が求められ、戦略的な関与や指揮は必要ない。
共同正犯説と未遂
内乱罪における共犯関係については、通常の共同正犯の要件が適用されることが通説である。また、未遂については、全般的に罰せられるが、特定の参加者に関しては適用がないことに注意が必要である。
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内乱の予備又は陰謀をした者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
兵器、資金若しくは食糧を供給し、又はその他の行為により、前二条の罪を幇助した者は、七年以下の拘禁刑に処する。
前二条の罪を犯した者であっても、暴動に至る前に自首したときは、その刑を免除する。
自首の要件
自首とは、犯罪を犯した者が、その犯罪の事実を自ら申告することをいう。通説及び判例は、自首が成立するためには、当該犯罪の事実について自ら積極的に申告し、かつ、他の者による発覚を待たずに行う必要があると解している。最判昭和39・5・26では、自首の意義について具体的に示されており、自首による刑の免除は自発的な反省行為として評価される。
前二条の罪の要件
前二条の罪とは、刑法第78条及び第79条に規定される公務執行妨害罪及び暴動罪を指す。通説によれば、これらの罪には、他人の業務を妨害する行為や、特定の公務員に対する暴力行為が含まれ、具体的な行為の態様が明確に要件として求められる。最判昭和44・3・26では、これらの罪の具体的な構成要件が整理されている。
暴動に至る前の自首要件
暴動に至る前の自首とは、犯罪が未遂的な段階である必要があることを意味する。つまり、暴動の実行段階に入る前に自首することで刑の免除が認められる。通説及び判例は、自首の時点が暴動の発生前でなければならないことを強調しており、最判昭和56・12・21ではこの要件が明確に示されている。
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外国と通謀して日本国に対し武力を行使させた者は、死刑に処する。
日本国に対して外国から武力の行使があったときに、これに加担して、その軍務に服し、その他これに軍事上の利益を与えた者は、死刑又は無期若しくは二年以上の拘禁刑に処する。
第八十一条又は第八十二条の罪の予備又は陰謀をした者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
外国に対して侮辱を加える目的で、その国の国旗その他の国章を損壊し、除去し、又は汚損した者は、二年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金に処する。
2前項の罪は、外国政府の請求がなければ公訴を提起することができない。