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未成年者を略取し、又は誘拐した者は、三月以上七年以下の拘禁刑に処する。
営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じてその財物を交付させる目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、無期又は三年以上の拘禁刑に処する。
2人を略取し又は誘拐した者が近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させ、又はこれを要求する行為をしたときも、前項と同様とする。
所在国外に移送する目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、二年以上の有期拘禁刑に処する。
人を買い受けた者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
2未成年者を買い受けた者は、三月以上七年以下の拘禁刑に処する。
3営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を買い受けた者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
4人を売り渡した者も、前項と同様とする。
5所在国外に移送する目的で、人を売買した者は、二年以上の有期拘禁刑に処する。
略取され、誘拐され、又は売買された者を所在国外に移送した者は、二年以上の有期拘禁刑に処する。
第二百二十四条、第二百二十五条又は前三条の罪を犯した者を幇助する目的で、略取され、誘拐され、又は売買された者を引き渡し、収受し、輸送し、蔵匿し、又は隠避させた者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
2第二百二十五条の二第一項の罪を犯した者を幇助する目的で、略取され又は誘拐された者を引き渡し、収受し、輸送し、蔵匿し、又は隠避させた者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
3営利、わいせつ又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、略取され、誘拐され、又は売買された者を引き渡し、収受し、輸送し、又は蔵匿した者は、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
4第二百二十五条の二第一項の目的で、略取され又は誘拐された者を収受した者は、二年以上の有期拘禁刑に処する。
5略取され又は誘拐された者を収受した者が近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させ、又はこれを要求する行為をしたときも、同様とする。
第二百二十四条、第二百二十五条、第二百二十五条の二第一項、第二百二十六条から第二百二十六条の三まで並びに前条第一項から第三項まで及び第四項前段の罪の未遂は、罰する。
第二百二十五条の二又は第二百二十七条第二項若しくは第四項の罪を犯した者が、公訴が提起される前に、略取され又は誘拐された者を安全な場所に解放したときは、その刑を減軽する。
第二百二十五条の二第一項の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の拘禁刑に処する。
2ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。
第二百二十四条の罪及び同条の罪を幇助する目的で犯した第二百二十七条第一項の罪並びにこれらの罪の未遂罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
2死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。
公然性
公然性とは、一般人が感知可能な状態で行為が行われることを指し、非公開の場での発言は対象外となる。一般的には公衆の目に触れる形での行為が必要とされる。
事実の摘示
事実の摘示とは、事実そのものを指摘する行為であり、名誉を毀損する内容であれば、虚偽の事実の摘示を含む。事実が虚偽であるかどうかは問われないことが特徴である。
名誉毀損
名誉毀損は、他人の社会的評価を低下させる行為である。名誉が毀損されるかどうかは実質的な評価を基準に判断されるが、プライバシーや名誉そのものの権利としての側面も考慮される。
死者の名誉毀損 (虚偽の事実の摘示の要件)
死者の名誉を毀損するためには、虚偽の事実を摘示することが必要とされる。これは、他人の名誉との関係性から、特に保護されるべき対象として死者が規定されているためである。
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前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
2前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。
3前条第一項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、一年以下の拘禁刑若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
2告訴をすることができる者が天皇、皇后、太皇太后、皇太后又は皇嗣であるときは内閣総理大臣が、外国の君主又は大統領であるときはその国の代表者がそれぞれ代わって告訴を行う。
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
人の業務に使用する電子計算機若しくはその用に供する電磁的記録を損壊し、若しくは人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与え、又はその他の方法により、電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、又は使用目的に反する動作をさせて、人の業務を妨害した者は、五年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
2前項の罪の未遂は、罰する。
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
他人の財物
他人の財物とは、他人が所有権を有する財産を指す。所有権の有無については、通説では他者の財物であることが必要であり、他人のものを盗む行為でなければ窃盗には該当しない。
窃取の行為
窃取とは、他人の財物を不法に取得する行為をいう。通説において、物理的な移動を伴う実質的な取り去り行為が求められる。最判昭和26・7・13は、物の占有を不法に移転させることが窃盗の本質であると示している。
不法領得の意思
不法領得の意思とは、他人の財物を自らのものとする意図を指す。学説においてはこの意思が必要であるとされており、最判昭26・7・13は、窃盗においてもこの意思が常に存在することが求められる。
犯罪の故意
犯罪の故意とは、窃盗行為を行う意思を有することを指す。故意は主観的要素であり、被告が他人の財物を窃取する意思を持っていたかが重要となる。通説では、故意は行為の発生から認識を含めるが、動機による判断は含まれない。
刑法
不法領得の意思の内容と窃盗罪・横領罪の区別
刑法
窃盗罪の既遂時期と不法領得の意思の要否(占有離脱物横領との境界)
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他人の不動産を侵奪した者は、十年以下の拘禁刑に処する。
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期拘禁刑に処する。
2前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
暴行又は脅迫の使用
強盗罪における構成要件として、他人の財物を強取するにあたり、暴行または脅迫を用いることが求められる。暴行とは、身体的な攻撃を指し、脅迫は相手を恐れさせる行為を指す。最判昭和40年7月15日では、暴行の程度や脅迫の内容が具体的に評価されることが強調されている。
他人の財物
強盗罪は他人の財物を対象とすることが要件であり、「他人の財物」とは他者が所有する物品を指す。判例(例:最判昭和41年12月24日)では、他人の権利を侵害する行為とされていることが重要である。
強取行為
強取とは暴力や脅迫を用いて不法に財物を奪う行為である。通説においては、物理的に他人の財物を奪取する行為が必要であり、その行為が実行されたことが強調される(最判昭和53年4月12日)。
不法の利益の取得
他人の財物を強取した結果として不法に利益を得、または他人に得させた場合にも同様の処罰が規定されている。この点、財産上の利益を得ることが、「不法の利益」という概念に含まれることが通説で認識されている。
有期拘禁刑
強盗罪に対する刑罰として「五年以上の有期拘禁刑」が定められており、これにより強盗の重罪性が示される。刑の長期性から、強盗には社会的に強い非難が伴うことが明らかである。
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強盗の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の拘禁刑に処する。
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
人を昏こん酔させてその財物を盗取した者は、強盗として論ずる。
強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の拘禁刑に処し、死亡させたときは死刑又は無期拘禁刑に処する。
強盗の成立要件
強盗とは、他人の財物を不法に取得する目的を持ち、暴力または脅迫を用いて行う犯罪をいう(通説)。本条において強盗が成立するためには、他人の財物を奪う行為と共に、その過程で人を負傷または死亡させることが求められる。
人を負傷させた場合の構成要件
犯罪の結果として人を負傷させた場合には、無期又は六年以上の拘禁刑に処される(通説)。具体的には、身体に傷害を及ぼす行為が必要であり、傷害の程度は問われない。
人を死亡させた場合の構成要件
強盗の結果として人を死亡させた場合、処罰は死刑又は無期拘禁刑となる(最判平成19・11・29)。この場合、強盗行為と死亡との間に因果関係が必要であり、故意または過失により人を死亡させたことが求められる。
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強盗の罪若しくはその未遂罪を犯した者が第百七十七条の罪若しくはその未遂罪をも犯したとき、又は同条の罪若しくはその未遂罪を犯した者が強盗の罪若しくはその未遂罪をも犯したときは、無期又は七年以上の拘禁刑に処する。
2前項の場合のうち、その犯した罪がいずれも未遂罪であるときは、人を死傷させたときを除き、その刑を減軽することができる。
3ただし、自己の意思によりいずれかの犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
4第一項の罪に当たる行為により人を死亡させた者は、死刑又は無期拘禁刑に処する。
自己の財物であっても、他人が占有し、又は公務所の命令により他人が看守するものであるときは、この章の罪については、他人の財物とみなす。
第二百三十五条から第二百三十六条まで、第二百三十八条から第二百四十条まで及び第二百四十一条第三項の罪の未遂は、罰する。
配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第二百三十五条の罪、第二百三十五条の二の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
2前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
3前二項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
2前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
未成年者の知慮浅薄又は人の心神耗弱に乗じて、その財物を交付させ、又は財産上不法の利益を得、若しくは他人にこれを得させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
2前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
第二百四十二条、第二百四十四条及び第二百四十五条の規定は、この章の罪について準用する。
自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
2自己の物であっても、公務所から保管を命ぜられた場合において、これを横領した者も、前項と同様とする。
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の拘禁刑に処する。
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、三年以下の拘禁刑に処する。
2前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の拘禁刑及び五十万円以下の罰金に処する。
配偶者との間又は直系血族、同居の親族若しくはこれらの者の配偶者との間で前条の罪を犯した者は、その刑を免除する。
2前項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。
公務所の用に供する文書又は電磁的記録を毀棄した者は、三月以上七年以下の拘禁刑に処する。
権利又は義務に関する他人の文書又は電磁的記録を毀棄した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
他人の建造物又は艦船を損壊した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
2よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
他人の物を損壊
他人の物を意図的に毀損する行為を指し、物の用途・機能を損なわせることが必要である。通説では、物理的な損傷があれば足り、自己の物に対しても他人の権利を侵害しない範囲で行為が許容されるとされる。
他人の物を傷害
他人の物を物理的に傷める行為を含むが、通常は「損壊」と重複する概念として扱われる。最高裁の判例においても損壊と傷害の区別は厳密にはないため、実質的には同じく扱われる。
故意
他人の物を損壊または傷害する意思が存在することが求められる。故意については、意識的にその行為を行う意思が必要であり、過失のみでは成立しないと判例が示す(最判平成16・10・14)。
結果の発生
他人の物が損壊または傷害される結果が必要であり、その結果が生じなければ犯罪は成立しない。具体的には、実際に物に対して損壊や傷害があったかどうかが重要な要素である。
法定刑
三年以下の拘禁刑または三十万円以下の罰金若しくは科料に処することが定められており、これは軽犯罪に分類される。従って、軽微な損壊であっても法律上の処罰が科される可能性がある。
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自己の物であっても、差押えを受け、物権を負担し、賃貸し、又は配偶者居住権が設定されたものを損壊し、又は傷害したときは、前三条の例による。
境界標を損壊し、移動し、若しくは除去し、又はその他の方法により、土地の境界を認識することができないようにした者は、五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。